賃貸住宅に住んで生活をエンジョイできる

分析すると、いくつかの問題点がクローズアップされてきます。第一に、持ち家にせよ賃貸にせよ、三五年の支払い額は一億一三○○万円台以上になるのですが、これだけ巨額の支出を家賃で消費してしまうのと、ローン返済で費やす(資産の取得)のとでは、どちらがトクなのかという問題です。第二には、前述したように、高齢になったときに高い家賃の負担に耐えられるのかという問題があります。別表で、マンションを購入したときのローン返済月額は当初一○年間が三○万二三四八円、二~二○年間が三一万三八五○円になりますが、一二年目以降は銀行の住宅ローンの返済が終わっているので、二三万一○八○円に減少します。持ち家を実現した当初の月三○万円余りのローン返済は、民間賃貸マンションや公団賃貸住宅の家賃に比べると確かに負担は重いのですが、民間マンションの家賃が二年ごとに一○%ずつ上昇していくと、やがてローン返済額を追い越すことになります。、一二年目には家賃がローン返済額を上回ってしまいます。公団賃貸住宅も、一二年目からはローン返済額を上回ってしまうのです。高齢になったときに、月三五万円以上の家賃負担に耐えられるかどうか、決して楽観できないでしょう。高家賃の負担に耐えられなくなったら、賃貸マンションを脱出して、古い木造アパートの1DKか2DKに移ることも考えられますが、これらは心理的に落ち込みが大きくなってしまい、高齢者の精神衛生上もあまり好ましくないことは容易に予想できます。とくにサラリーマンの場合、定年退職後の生活設計を考えるとき、賃貸住宅暮らしよりは持ち家のほうがはるかにメリットが大きいのです。賃貸住宅に住んで生活をエンジョイできるのは、せいぜい一○年以内であって、それ以降は家賃の負担が年を追って重くなることを知っておくべきです。

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